The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

Presentation information

一般演題

オンデマンドプログラム » 一般演題

原理,歴史,制度(OP-0201~0204)

七木田文彦(埼玉大学)

[OP-0203] アメリカにおけるソーシャルワーク教育の草創期に果たしたラッセルセージ財団の役割

瀧澤透 (青森県立保健大学)

【はじめに】アメリカにおけるソーシャルワーク教育は1898年にニューヨークでの6週間の夏季講習から始まった.その後1904年に通年の課程が整備された.この頃,ボストンでも1904年にBoston School for Social Workという学校が設立されるなどしている.これら学校や教育に対して,経済支援や出版などでラッセルセージ財団(以下,財団)がいくつかの役割を果たしていた.本研究ではソーシャルワーク教育の草創期に財団の果たした役割を検討することを目的とする.【方法】 方法は文献研究となるが,インターネット上の学術的資料も参考としている.【結果】 1911年に財団のジョン・M・グレンは,アイーダ・キャノンに医療ソーシャルワークに関する教科書の作成を依頼した.キャノンは『Social work in hospitals(病院におけるソーシャルワーク)』を1913年に財団より刊行した.このほか財団はBoston School for Social Workの2年次の病院実習の費用を提供するなど,ソーシャルワーク教育の支援を行っていた.【考察】 財団は1907年にニューヨークで設立され,また1909年に慈善組織部長としてメアリーリッチモンドを迎えている.財団は設立趣旨に「米国の社会的および生活条件の改善」を掲げているが,財団がソーシャルワーク教育の充実による貧困問題等の改善を目指したこと推察された.