The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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健康管理,疾病予防3(OP-0311~0315)

棟方百熊(岡山大学)

[OP-0311] 中学生の塩分摂取量の評価のための簡易チェックシートの作成

宮井信行1, 寒川友起子1, 早川博子1, 木下あずな1, 野上絵理子1, 岡俊文1, 森岡郁晴1, 内海みよ子2, 有田幹雄1,3 (1.和歌山県立医科大学, 2.東京医療保健大学, 3.角谷リハビリテーション病院)

【目的】中学生を対象に,尿中ナトリウム(Na)排泄量と,食品の摂取頻度や調味料の使用状況との関係を検討し,塩分摂取量を簡易に評価できるチェックシートの作成を試みた.【方法】対象者は,A県内の中学校に在籍した生徒375名であった.午前中に随時尿を採取し,高血圧治療ガイドライン2019による推定式で24時間尿中Na排泄量を算出した.塩分摂取量は,味噌汁,スープ,麺類,丼物,練り物,ハム・ソーセージなどの塩分の多い食品の摂取と,醤油・ソース,ケチャップ,ドレッシングなどの調味料の使用状況を4件法で尋ねた.【結果】尿中Na排泄量は126.3±25.4 mEq/日(食塩相当量:7.4±1.5g/日)であり,男女差は認められなかった.食品摂取や調味料使用との関係を検討した結果,味噌汁,スープ,ラーメン,お好み焼き・たこ焼き,丼物,焼き飯,寿司,おにぎり,煮魚,たらこ・明太子,魚の練り物の摂取と,醤油・ソース,ドレッシングの使用が多いほどNa排泄量が高値となる傾向にあった.これらの項目について,各カテゴリーに暫定的に得点(0~2点)を与えて全項目の合計得点を算出した.その上で得点を階層化して比較したところ,階層が上がるにつれて連続的にNa排泄量が高値となる有意な関係が認められた.【結論】随時尿から推定した尿中Na排泄量を基準にチェックシートを作成した.今後,項目の内容,回答の選択肢と得点化の方法などの妥当性を高めることで,塩分摂取量を簡易に評価する有用なツールとなる可能性が示された.