The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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健康管理,疾病予防3(OP-0311~0315)

棟方百熊(岡山大学)

[OP-0313] 座学授業中に学習を伴わない身体活動を組み込むことが中学生の疲労自覚症状に及ぼす影響

田中良1, 野井真吾2 (1.大阪体育大学 体育学部 スポーツ教育学科,日本体育大学体育研究所, 2.日本体育大学)

教育現場における「すぐ“疲れた”という」子どもが最近増えているとの実感は,根強くある(野井ほか,2016).また,中学生では半数以上(男子52.2%,女子57.7%)が「だるさ」や「疲れやすさ」を感じているとの報告もある(日本学校保健会,2018).このような中,田中・野井(2020)は,普通教室での授業に学習を伴った身体活動を組み込んだところ,疲労感が軽減したと報告している.しかしながら,学習を伴わない身体活動であっても疲労感が軽減するかは明らかにしていない.そこで本研究では,授業中に簡単な体操・ストレッチをすることが疲労自覚症状に及ぼす影響を検討した.
対象は,東京都A中学校の1年生4クラス130名であり,そのうち2クラスを対照クラス,2クラスは介入クラスとした.さらに,介入クラスは「学習を伴う身体活動をするクラス」と「ストレッチをするクラス」に分けられた.授業担当教諭には,「活動またはストレッチは5から10分実施し,10分を超えない」よう依頼した.疲労自覚症状の評価には「自覚症状しらべ」(城,2002)を用いた.介入は2021年3月24日(水)の2,3限目に,疲労自覚症状の評価は1,4限目に実施した.分析にはデータに欠損がなかった119名(男子70名,女子49名)分のデータを使用した.本研究の結果,対照クラスよりも介入クラスで疲労自覚症状総得点が減少した.また,その減少の程度は「学習を伴う身体活動」と「ストレッチ」で大きな差はなかった.