The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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健康管理,疾病予防4(OP-0316~0320)

竹鼻ゆかり(東京学芸大学)

[OP-0318] 教室における適切な換気条件の検討

田口真穂1,2,3, 白熊杏菜2, 坂井暢2, 北垣邦彦3, 山田博章1 (1.横浜薬科大学 レギュラトリーサイエンス研究室, 2.横浜市立品濃小学校, 3.東京薬科大学 社会薬学研究室)

【背景】学校における新型コロナウイルス感染症の予防には,教室の換気が推奨されている.一般の公立学校の機械換気の設置状況は,性能等を考慮すると十分であるとは言えず,多くの学校で自然換気を併用している.夏期や冬期において,教室等の温度を学校環境衛生基準内(17~28℃)に維持するためには,外気側の窓を常時全開することは困難であり,窓の開放を限定せざるを得ないことがある.そこで,換気の指標である二酸化炭素濃度1,500ppm以下を維持しながら,室温を保持する換気方法を検討した.
【方法】2020年9月に,エアコン使用下の小学校6年生在室中の教室で,授業開始0,15,30,45分後の温度及び二酸化炭素濃度を複合型ガス検知器で測定した.測定条件は,対角上の窓の開閉状態,換気扇稼働有無で行った.
【結果】換気後,授業中に窓を閉めると温度は低下したが換気扇稼働下であっても換気は不十分であった.窓を対角上に開けて連続換気すると1,000ppm以下が保たれた.窓の開放面積が小さいほど,温度は低下傾向がみられた.同じ開放面積でも,外気温との差が大きいほど換気が促進されることが示唆された.
【考察・結論】本結果から,対角線方向の窓開けが換気に有効であることが確認された.また,夏期の熱中症対策としてエアコンの効きを保ちながら,適切な換気を行うためには,教室ごとの条件検討が大切であることが示唆された.適切な換気条件の検討を進めるために,定期検査前に学校薬剤師に相談しておくことも有用であると考える.