The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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性,ジェンダー(OP-0401~0406)

笠井直美(新潟大学)

[OP-0402] 教員養成課程における大学生の性に関する知識および意識-保健体育科および社会科の教員免許取得を目指す大学生を対象として-

泉彩夏1, 片岡千恵2, 國分麻里3 (1.筑波大学大学院人間総合科学研究科, 2.筑波大学体育系, 3.筑波大学人間系)

学校における性に関する指導は教育活動全体を通じて行われることが求められており,その際にはそれぞれの機会における指導の関連を図り,学校全体で共通理解をした上で進めていくことが重要である.本研究では,性に関する指導の重要な機会と言える保健体育科および社会科の教員免許状の取得を目指す大学生における性に関する知識および意識の状況を検討することを目的とした.調査は,2021年1~3月に,関東圏の2大学に所属する体育系学部および教育系学部の1~4年生を対象として,無記名の質問紙法を用いて実施した.知識に関しては,(公財)日本学校保健会保健学習推進委員会による全国調査(2017)の問題を用いた.解析対象は129名であった.その結果,性に関する知識について,全8問のうち3問の正答率が60%以下と低率であり,性に関する基本的な知識が十分に身に付いていない状況が示された.意識については,性に関する指導の必要性や重要性は,保健体育科および社会科の教員免許状の取得を目指す大学生ともに高く認識していることが示された.また,性の多様性やジェンダー観等について,多くの者が好ましい意識を有していることがうかがわれた.しかしながら,性に関する指導を実践することに抵抗があり,指導することに自信がないといった者が一定数存在することも示された.教員養成課程においては,大学生の性に関する知識や意識を高めるとともに,性に関する指導の実践に向けた意識を向上させることが一層求められる.(20K02581の助成)