The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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性,ジェンダー(OP-0401~0406)

笠井直美(新潟大学)

[OP-0404] 教員の性の多様性に関する認識と児童生徒への指導の現状

寺門遼香1, 青柳直子2 (1.茨城大学 大学院 教育学研究科, 2.茨城大学 教育学部)

【目的】 性的マイノリティに該当する人の人口規模は7~10%との報告(電通LGBT調査, 2018等)がなされており,教員は性的マイノリティの児童生徒(当該児)の在籍についての認識を持つことが必要である.本研究では,教員の性の多様性の認識,当該児への支援等の実態把握を行い,指導上の課題や支援・指導体制を検討することを目的とした.
【方法】 2020年11月に,関東地区I県内の公立小学校2校,中学校2校,高等学校1校,特別支援学校2校の教員304名を対象として,無記名自記式質問紙調査を実施した.回収率は64.5%(回収数196),有効回答率95.9%(有効回答数188)であった.
【結果・考察】 語句の認知度はいずれも9割を超えており,年代差はみられなかった.一方,性的指向の内容については半数以上で理解不足の様子がみられた.性的マイノリティの当該児と関わった経験が有る者は約2割であり,当該児の在籍を実感していない教員が多いことが推察された.「性の多様性について子どもに教える必要がある」と感じている者は約9割であった.一方,実際に指導経験が有る者は16.5%であり,指導の必要性を感じているが,実際に指導できている教員は少ないことが分かった.
【まとめ】 教員による日常的な支援・指導を充実させるためには,正確な知識を身に付けるとともに,具体的な指導内容・方法を理解するための研修を充実させるなど,支援・指導体制の整備が必要であることが示唆された.