The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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健康教育,ライフスキル1(OP-0501~0505)

戸部秀之(埼玉大学)

[OP-0505] 中学生における睡眠習慣改善プログラムの開発と教育効果の検証 ―自己コントロールと動機づけ面接法を活用して―

滝あい1, 山崎勝之2 (1.高松市教育委員会 保健体育課, 2.鳴門教育大学)

 睡眠習慣の良し悪しは子どもの健康と発達に影響を与えるが,中学生の平均睡眠時間は減少傾向にあり,近年のデジタルデバイス等の普及による睡眠習慣の乱れも指摘されている.家庭教育を支援する立場として学校現場において睡眠習慣改善教育を行う意義は大きいが,日本の学校現場では,健康教育分野において重要視される心理的要因への介入や評価を行った教育は少ない.そこで,養護教諭である発表者は,自己効力感の高まりに着目した睡眠習慣改善プログラムを開発,実施し,教育効果をその持続性を含めて検証した. プログラムは,全般を通して睡眠習慣改善に関する自己効力感の高まりを目指した.教育内容は,授業,自己コントロールおよび動機づけ面接スタイルによる個人面談の3つの介入要素で構成された.協力者は,公立中学校2年生で,教育群および対照群を各1学級設定した.教育効果は,睡眠習慣改善に関する自己効力感尺度と行動変容段階尺度,心理的ストレス反応尺度,睡眠習慣調査を用いて評価し,実施前後とFollow-Up (以下,FU)での変化を対照群と比較した.その結果,自己効力感尺度得点では,教育群の男子において教育後で有意な上昇が確認され,行動変容段階尺度では,教育群全体においてFUで有意な前進が確認された.その他の調査項目では教育効果は確認されなかった.しかし,対象となった習慣の悪化度が顕著な生徒を個別に調べたところ,介入効果が認められ,習慣が改善されていた.