The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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健康教育,ライフスキル2(OP-0506~0510)

山本眞由美(岐阜大学)

[OP-0510] 女子大学生の月経セルフケア行動獲得の実態と関連要因

松本華穂1, 奥田紀久子2, 田中祐子2, 石井有美子2, 宮原和沙3, 郷木義子4 (1.徳島県立富岡東高等学校, 2.徳島大学 医学部 保健学科, 3.徳島文理大学 保健福祉学部 人間福祉学科, 4.新見公立大学 健康科学部)

【目的】本研究の目的は,女子大学生の月経セルフケア行動の実態と関連要因を明らかにすることである.
【方法】承諾が得られた女子大学生620名を対象に,独自に作成した質問紙調査を実施した.質問項目は,属性,月経の状態,セルフケア行動,知識,情報源等とした.本研究における月経セルフケア行動とは月経や月経に伴う症状に対して自ら心がけている行動と定義した.調査は徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会の承認を得て実施した.
【結果】606名から回答があり,552名分を有効回答とした(有効回答率89.0%).何らかの症状がある場合のセルフケア行動に関する11項目について,1~4点に得点化した結果,「身体を休める」行動の得点が最も高く(3.18±0.87),次いで「おなかや腰を温める(3.16±0.97)」,「症状について適切な相手に相談する(2.98±0.93)」であった.セルフケア行動の合計得点と関連要因について統計解析を行った結果,知識の情報源,月経に対する考え方,相談内容の項目との間に有意な関連を認めた.養護教諭や医療関係者から情報を得ていること,月経に対して負の感情を持つことが,セルフケア得点との間に有意な正の相関を示した.また,痛みや不快な症状への対処法や日常生活について相談した者の方が,セルフケア行動の得点が有意に高かった.
【考察】月経時に何らかの症状のある者がセルフケアを獲得する過程には,情報源や相談内容が影響しており,学校や医療機関での適切なサポートが重要であることが示唆された.