The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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健康教育,ライフスキル3(OP-0511~0514)

川畑徹朗(神戸大学名誉教授)

[OP-0512] 小学生の遊びの実態とライフスキル及びセルフエスティームとの関連

山田浩平1, 田中滉至2, 大津一義3 (1.愛知教育大学, 2.九州共立大学, 3.日本ウェルネススポーツ大学)

本研究は小学校高学年生を対象にして遊びの実態を把握するとともに,遊びの効果を検証するための基礎資料を得るために,ライフスキル(LS)及びセルフエスティーム(SE)との関連について検討することを目的とする.2020年11月に愛知県内の3つの小学校に在籍する575人を対象に無記名自記式の質問紙調査を行った.調査内容は,基本的属性(学年,性別),遊びに関する尺度〔大畠(2002)の尺度を基にCaillois(1958)の遊びの6つの分類(競技遊び,偶然遊び,模擬遊び,感覚遊び,受容遊び,遊ばない)別に作成〕,LS尺度(山田ら,2018),SE尺度(Rosenberg,1965)である.学校の休み時間にする遊びの種類をみると,競技遊び,模擬遊び,感覚遊び,受容遊びの順に多く,4,5年生に比べて6年生の方が有意に得点が高かった.次に学校の休み時間に何人で遊ぶのかをみると,4人以上,2~3人,1人の順であった.このような遊びの種類と遊ぶ人数別にLS,SEの得点をみると,遊びの種類ではLSの問題解決,意志決定スキル,自己表現スキル,対人関係スキル,創造的思考スキルとSEは,遊ばない群に比べて競技遊びをする群の得点が有意に高かった.次に遊ぶ人数別にLS,SEの得点をみると,すべての項目において遊ぶ人数が多いほどLS,SEの得点が高かった.このように,学校の休み時間に遊ぶ人数とLS及びSEとの間には強い関わりがみられ,大勢で遊ぶことを通してLSやSEを身に付けることができる可能性がある.