The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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健康教育,ライフスキル4(OP-0515~0518)

高倉実(琉球大学)

[OP-0515] ピア・サポート・プログラムの長期的実践が高校生の対人関係能力,自尊感情,精神的健康度,学校環境適応感に及ぼす影響

近藤充代1, 大澤功1 (1.愛知学院大学 心身科学部 心身科学研究所, 2.愛知学院大学 心身科学部 健康科学科)

<目的>ピア・サポート研究の課題は,長期的実践を高いエビデンスレベルの評価法で効果検証された論文が少ない点にある.この課題に資することを目的として,ピア・サポート・プログラムを長期実践した高等学校を比較試験の手法で効果検証を試みた.<方法>活動期間:2004~2013年度評価法:人間関係尺度,ローゼンバーグ自尊感情尺度10項目版(RSES10),精神健康調査票(GHQ28), 6領域学校環境適応感尺度(ASSESS)を使い,活動参加グループを介入群,不参加グループを対照群として,開始前,7ヶ月後,10ヶ月後の三時期を分散分析で比較した.人間関係尺度,RSES10,GHQ28は平均得点で折半し,高適応群と低適応群に分けて変化を比較した.<結果>1.各尺度の変化人間関係尺度,RSES10,GHQ28で介入群に有意な変化が認められたが,対照群でも人間関係尺度とRSES10に有意な変化が認められた.ASSESSでは,生活満足感,教師サポート,友人サポート,向社会的スキルの4領域に介入群に有意な変化が認められ,対照群には有意な変化はなかった.2.高適応群と低適応群の変化 人間関係尺度では高適応群,低適応群ともに有意な変化が認められた.RSES10,GHQ28では低適応群のみに有意な変化が認められた.<結論>介入群で,調査項目9項目のうち7項目に有意な変化が認められ,成長発達に影響を与えていた可能性が高いが,対照群の変化もあり検討が求められる.自尊感情(RSES10)と精神的健康度(GHQ28)は適応の低い者に効果があることが示唆された.