The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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健康教育,ライフスキル4(OP-0515~0518)

高倉実(琉球大学)

[OP-0518] 高校生のがんに関する病院受診意図と受診の障壁についての実態調査

角田紘子, 森田久美子 (東京医科歯科大学 保健衛生学研究科 地域健康増進看護学)

【目的】高校生において,がんを疑う際の病院受診意図と,病院受診の際の障壁の関連について明らかにすることを目的とした.【方法】2020年2月に,都市部の高等学校の1年生2年生944名を対象として,無記名自記式のアンケートを実施した.アンケートの内容は,自分の考えるがんの兆候があった時の病院受診意図と,その際の病院受診意図の障壁(Cancer awareness measurementを改変)とした.有意確率を5%とし,χ二乗検定を行った.【結果】743名(78.7%)から同意が得られ分析の対象とした.自分の考えるがんの兆候があった時の病院受診意図がある生徒は605名(82.7%)であった.χ二乗検定の結果,自分の考えるがんの兆候があった時の病院受診意図に関連している項目は,こわい,病院の予約が取りにくい,忙しすぎて病院に行く時間がない,病院までの移動手段がない,医師が何か見つけるのではないかというのが怖いであり,逆に病院に行かない意図に関連している項目は,何も見つからず医師の時間を無駄にするかもしれないであった.【考察】病院受診の意図がある生徒は8割を超えていたが,病院の予約が取りにくい,忙しすぎる,病院までの移動手段がない,怖いことが病院受診をためらう理由になると感じている生徒がいることが分かった.さらに,医師の時間を無駄にするかもしれないと考えることと,病院を受診しない事の関連が示唆され,高校生ががんだと感じた際に病院受診につながるように,適切な情報提供と教育が必要であると考えられた.