The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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保健教育1(OP-0601~0604)

岩田英樹(金沢大学)

[OP-0603] 「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を導入した保健授業の提案

松本ミユ (広島大学大学院 人間社会科学研究科)

2003年の「性教育バッシング」以降,日本での性教育に様々な制約が課せられるようになった.セクシュアリティには社会的・文化的な側面があり,それらを含めた包括的性教育(Comprehensive Sexuality Education:CSE)が求められている.しかし,学校では生物学的側面のみを教えるなどの制限もあり,国際的な動向から大きく取り残されることが懸念されている.他方,「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」(「ガイダンス」)はセクシュアリティの様々な側面を網羅しており, SRHR(Sexual Reproductive Health and Rights:性と生殖に関する健康と権利)を取り入れたCSEの実施に寄与すると考えられている.しかし,日本で「ガイダンス」を実践し,その効果を検討した研究は少ない.そこで本研究の目的は,「ガイダンス」を導入した保健授業を実践し,その効果を検討する.また,その知見を踏まえて日本における性教育の改善に向けた一資料を提案したい.そのために研究方法として,まず,CSEを意識した保健授業の実践を行うために「ガイダンス」を取り入れた保健授業の構想及び実践を行う.次に,その授業の適切さを検討するために,実践後の授業者の日記,生徒からのコメントシートを用いた省察を行う.さらに,実践から得た示唆をもとに,「ガイダンス」を取り入れた保健授業を再構想する.期待される結果として,「ガイダンス」を導入した保健授業の提案は,「ガイダンス」を使って保健授業を行いたい人に向けた一資料となる.