The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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保健教育3(OP-0610~0614)

家田重晴(中京大学)

[OP-0614] ケースメソッド教育を用いた中学生に対するSNSのトラブル予防授業の開発と評価

北澤武1, 山城綾子2, 竹鼻ゆかり3 (1.東京学芸大学大学院 教育学研究科 教育実践創成講座, 2.多摩市立和田中学校, 3.東京学芸大学 芸術スポーツ科学系 養護教育講座)

【目的】ケースメソッド教育による中学生に対するSNSのトラブル予防授業を開発,評価することを目的とした.
【方法】公立A中学校400名(中1:男子65名,女子57名,不明1名,中2:男子65名,女子70名,不明1名,中3:男子82名,女子59名)に,ケースメソッド教育を用いた授業を1,2年合同及び3年生のみの2回行った.授業の目的は,SNSを使うことで事件や事故にあう可能性があることの理解(知識・技能)や,SNSに夢中にならないための方法を考えること(思考・判断・表現),SNSの使い方について気をつけようとすること(主体的に学習に取り組む態度)などとした.ケースはSNSに夢中になっている女子中学生が,Instagramを介して男性と思われる人からメッセージが届いたことがきっかけで,実際に出会ってしまう内容とした.授業直後に質問紙調査(5件法,7項目)を行った.
【結果】「SNSを使うことで,事件や事故にあう可能性があることが,分かりましたか」(p<0.001),「SNSに夢中にならないための方法を考えることができましたか」(p<0.001),「SNSの使い方について気を付けようと思いましたか」(p<0.001)など6項目で,中央値(3)を閾値とする母平均の検定(t検定)の結果,有意に平均値が高かった.
【結論】中学生を対象に開発したケースメソッド教育を行うことで「SNSによる事件や事故にあう可能性があることが分かる」,「SNSに夢中にならないための方法を考えることができる」などの中学生の意識を高める可能性が示唆された.