The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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保健教育4(OP-0615~0619)

西岡伸紀(兵庫教育大学)

[OP-0617] 学校の教育活動全体を通じて行う健康に関する指導の課題と教師教育の開発

清水将 (岩手大学大学院 教育学研究科 教職実践専攻)

平成29年告示の学習指導要領では,あらゆる教育活動を通して,教科等横断的な視点から資質・能力を育成する教育課程が編成されることが求められている.教科等を分類する保健学習や保健指導という用語についても見直しがなされ,学校の教育活動全体を通じて行う心身の健康の保持増進に関する教育は,全教職員による積極的な取り組みが期待されている.教育職員免許法の改正によって,養護教諭による保健の授業も可能になり,学校の教育活動全体を通じて行う健康に関する指導の実態としてA県の小学校に勤務する養護教諭13名を対象にインタビューを行った結果,ある程度のまとまりをもって単独で担当し,指導案や教材・教具を準備する時間を授業として捉え,体育科の保健領域よりも学校行事等の健康に関する指導へ関わることが多く,その際の授業づくりの困難には,「発問」や「即応的な対応」,「児童の理解」,「実生活への適応能力」等があげられた.学校の教育活動全体を通じて行う健康に関する指導を充実させて,健康を保持増進する資質・能力を育成するためには,学習指導要領総則や解説を理解し,体育と保健だけでなく,指導計画作成上の配慮事項と特別活動や他の教科等を関連させるカリキュラムマネジメントの能力が必要と考えられ,その育成のためには,それぞれの関連と実施時期を顕在化させることが有効と考えられた.