The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

Presentation information

一般演題

オンデマンドプログラム » 一般演題

健康相談,健康相談活動,保健指導(OP-0701~0705)

遠藤伸子(女子栄養大学)

[OP-0701] 医学部生のための教員による学生相談室開室の試み-コロナ禍における学生相談形態-

池田行宏 (近畿大学医学部)


【背景・目的】
新型コロナウイルス感染症拡大の影響から2020年度は,多数の学生が大学に入構できない状況が続いた.学生相談室では学生のニーズに応えるべく,オンラインによる相談対応を行ってきた.本発表では,2019年度 (従来の対面型対応) と2020年度 (オンライン対応) の相談室活動を比較し,学生ニーズ変容の観察と今後の相談室の対応を検討していくことを目的とする.
【方法】
2019年度と2020年度の相談記録を比較し,対象者,相談手段,相談内容の変化を評価する.
【結果・考察】
年間の相談件数は516件と前年度よりわずかに増加した.学年別では1年生が最も多く231件,次いで4年生119件であった.1年生は4月に大量の相談を受けたこと,4年生はカリキュラムの都合上大学に来る機会が他学年に比べて多かったことが寄与している.一方,大学通学の機会に乏しかった2,3,5,6年生の相談件数は少なかった.相談手段はLINEやZOOMといった遠隔やオンラインで実施できるものが増加した.相談内容は学業に関するものが335件と全体の64.9%を占めた.2020年度ではクラブ活動,人間関係,留学に関する相談が減少したことが大きな特徴である.これらは全てコロナ感染拡大に影響された結果と推察される.学生が通学しない状況下では,学生相談室を必要とする学生の発見が困難である.メンター教員との連絡を密にし,学生の生活状況を逐次把握することが今後の重要課題である.