The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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メンタルヘルス2(OP-1005~1008)

外ノ池隆史(愛知学院大学)

[OP-1008] 高校生の自己切傷に関連する要因の検討

石田実知子1, 井村亘2, 大東(渡邊)真紀3 (1.川崎医療福祉大学保健看護学部保健看護学科, 2.川崎医療福祉大学大学院医療技術学研究科健康科学専攻博士後期課程, 3.岡山大学大学院保健学研究科博士後期課程)

【目的】自傷行為は,怒りを中心とした不快な感情への対処として行われ,自殺未遂や自殺の最も高い予測因子の1つであり,公衆衛生上の喫緊の課題となっている.そこで高校生の自己切傷に関連する要因を明らかにすることを目的とした.
【方法】調査は,A県内の公立高等学校等に通学する高校生4,056名に依頼し,統計解析には有効回答3,106名のデータを用いた.統計解析は,従属変数を自己切傷の有無,独立変数を課程,性別,学年,家族とのコミュニケーション,精神的健康,援護要請,課題解決,抑圧,発散,他害として,強制投入法によるロジスティック回帰分析を行い,有意水準は5%とした.なお,本研究は倫理委員会の承認後実施し,演題発表内容に関して発表者らに開示すべきCOIはない.
【結果】分析の結果,自己切傷に関わる因子として性別(オッズ比:0.828,95%CI : 0.722-0.948),家族のコミュニケーション(オッズ比:0.845,95%CI : 0.794-0.899),援護要請(オッズ比:0.962,95%CI : 0.943-0.982),抑圧(オッズ比:1.025,95%CI : 1.008-1.041),他害(オッズ比:1.244,95%CI : 1.208-1.281)が有意に関連する変数として抽出された.
【結論】本結果から,自己切傷には男性であること,家族内のコミュニケーションや援護要請が高いことが保護要因として,抑圧や他害行動がある場合は自傷のリスク要因があることが示唆された.