The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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メンタルヘルス3(OP-1009~1013)

佐々木司(東京大学)

[OP-1010] 大学生の首尾一貫感覚とその関連要因について

黒川修行1,2, 下田榛乃2, 小宮秀明3 (1.宮城教育大学 教職大学院 高度教職実践教育専攻, 2.宮城教育大学 教育学部, 3.宇都宮大学 共同教育学部)

【背景・目的】近年,若者,特に大学生の抑うつ傾向が高まっており,宮城教育大学における生活健康調査において,約2割の学生で精神的健康に不安を抱えていることが明らかになっている.本研究では,「ストレス対処力」ともいわれる首尾一貫感覚(Sense Of Coherence :以下SOC)について,大学生のSOCの実態を把握するとともに,SOCの強弱がどのような条件によるのか,明らかにすることを目的とした.
【方法】大学1~3年生を対象に調査を実施した.有効回答数は271であった.日本語版SOC短縮版尺度(SOC-13)を用いて,生活習慣(朝食摂取状況,喫煙,飲酒頻度等)や自尊感情,ソーシャルサポートの関係について,検討した.
【結果及び考察】本調査でのSOC得点の平均得点は51.7(標準偏差10.3)点であり,最小値は21点,最高値は81点であった.また,SOC得点は居住形態,ストレスの感じやすさ,睡眠の質,睡眠困難,日中覚醒困難,総身体活動量,自尊感情,ソーシャルサポートに関連性が認められた.また,自尊感情は睡眠,身体活動,アルバイト,ソーシャルサポートと関連が見られた.そのため,生活習慣を整えたり,ソーシャルサポートを獲得できる環境を整えたりすることで,SOCの強化につながる可能性があると考えられる.しかし,本研究は横断研究であるため,因果関係については言及することはできない.今回SOC得点と関連の認められた項目は,SOC以外の項目とも関連が見られ,生活様式や生活習慣の様々な要因が密接にかかわっていると考えられた.