[OP-1204] 中学生のアジリティと各体力要素との関係
【背景】状況に応じて速やかに身体の移動速度や進行方向をコントロールする能力であるアジリティは,多くのスポーツでのパフォーマンス発揮に関連することはもとより,生活場面においても咄嗟の行動をとる際などに必要となる,あらゆる年代にとって重要な身体能力である.アジリティは様々な身体的特性や体力要素が複合して発揮されると考えられるが,若年期におけるそれらの関係性には不明な点が多い.【目的】本研究では,中学生を対象にアジリティを評価するテストを行い,その成績と各体力要素との関係を検討した.【方法】中学校1年生~3年生の男子88名,女子87名を対象に,アジリティ評価テストである505 test(変法)を行った.505 test(変法)は,進行方向にある視覚刺激装置のランダムな合図によりスタートラインからダッシュし,10 m先のゲートを通過してさらにその先5 mの地点でターンし,再びゲートまで戻ってくる間の遂行時間を測定するものである.各体力要素としてリバウンドジャンプ指数(RJ指数),20 m走破時間(20 m走),垂直跳,握力,身長,体重の測定を行い,505 testの成績との相関関係を検討した.【結果】男女とも,505 testの成績は20 m走と最も関係が強く,次いで跳躍能力であるRJ指数,垂直跳と関係した.握力,体格,学年などの要素との関係性は低かった.【結語】中学生年代のアジリティは短距離疾走能力や跳躍能力と関係し,握力や体格などの成長に伴って発達する要素との関連性は低いことが示唆された.