The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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一般演題

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国際学校保健(OP-1501~1504)

照屋博行(福岡教育大学・九州共立大学名誉教授)

[OP-1501] 外国につながる児童生徒の健康課題解決に向けた養護教諭による支援プロセス ~M-GTAを用いた分析~

中下富子1, 桐生育恵1, 内山かおる1, 佐藤由美2 (1.群馬パース大学保健科学部看護学科, 2.群馬大学大学院保健学研究科)

【目的】在日外国人の子どもは,母語や文化の違いによる価値観や生活習慣,さらにマイノリティである等,学校生活を送る上で心身の健康に影響を受けることが少なくない.そのため,様々な健康課題に対する養護教諭の支援が求められる.そこで,本研究は,外国につながる児童生徒の健康課題解決に向けた養護教諭の支援プロセスについて明らかにすることを目的とした.【方法】A県で在日外国人の多い地域の公立小・中学校に所属し,外国につながる児童生徒への支援経験を持つ養護教諭に半構造化面接を行った.養護教諭10名からデータを収集し,M-GTAを用いて分析を行った.本研究は,群馬パース大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した.【結果】外国につながる児童生徒の健康課題解決に向けた養護教諭による支援プロセスは,「健康課題の発生」という課題を把握する段階から,健康課題の「自己管理を確認する」という子どもや保護者が健康課題解決に向けて実践する段階に変化するプロセスであった.【結論】養護教諭は,子どもの課題をアセスメントするために,学校内で言葉の壁を補い合うべく通訳や教諭と連携し,<国は違っても子どもは同じ>という考えに基づいて,子ども一人ひとりの違いを捉え,保護者に粘り強く対応することが必要であった.また,在日外国人のネットワーク,地域の健康管理システム等,学校外からの間接的な働きかけに支えられていることが示された.