The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

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介助犬を通して福祉を学ぶ〜誰もが挑戦できる社会へ〜


*先着順100名様までの参加とさせていただいております。

Sat. Nov 6, 2021 12:00 PM - 1:00 PM LIVE配信スポンサードセッション

[SS2] 介助犬を通して福祉を学ぶ〜誰もが挑戦できる社会へ〜

社会福祉法人 日本介助犬協会のとりくみ

高柳友子,磯貝歩美,藤原智貴,介助犬ダイキチ (社会福祉法人 日本介助犬協会)

Keywords:介助犬 WithYou プロジェクト DogIntervention

 当協会は,身体障害者補助犬法に基づく,肢体不自由者の自立と社会参加促進を目的に訓練された介助犬の育成と介助犬を通した障害者の自立・社会参加のための支援活動,社会啓発と,これらの事業を通して福祉活動を実践する人材養成を行なっています.
 介助犬は,車椅子や杖とともに歩むパートナーと24時間365日,大半は寝ているだけですが共に時を過ごします.パートナーが持っているものを落とすと拾ってくれ,takeボトルの指示で冷蔵庫に走ってペットボトルを取って持ってきてくれ,靴・靴下を脱ぐのを手伝い,転倒などの緊急事態には,携帯電話を探して手元まで持ってきてくれるので助けを呼ぶことができます.
 その安心感が介助犬の大きな効果となって精神的安定をもたらし,家族や介護者に依頼することが減ることで自尊心を向上させます.また,介助犬と共に生活することで安心して生活動作・外出をすることで自信が生まれ,新たなる挑戦をするエンパワメント効果が生まれます.介助犬を目にした周囲の人々が笑顔で話しかけてくることが増えることは社会的潤滑油効果と呼ばれます.家族への依存は介助犬によって改善されますし,介助犬導入に伴って,社会参加場面で話しかけられることが多くなり交流の機会が増えていきます.当協会の啓発活動として介助犬デモンストレーションや介助犬と生活している障害者の話から,犬たちは厳しい訓練をして働かされているのではなく,楽しく動作を学び,褒められることが嬉しくて介助作業を遊びの延長としてこなし,大好きなパートナーに寄り添い,パートナーとなる障害者は介助犬をかけがえのない存在として大切にしている絆を伝えます.介助犬の嬉しそうに作業をする様子やパートナーと温かい眼差しで見つめ合う姿は,当協会の理念である「人にも動物にもやさしく楽しい社会をめざして」の心のバリアフリーを子供達に伝えることにとても有意義であると実感します.介助犬は賢く選ばれし犬がなる,介助犬の方が介助犬になれない犬よりも優れていると思われがちですが,介助犬になれないのではなくならない犬の適材適所の活躍が重要であることも社会的理解が必要なポイントです.介助犬の適応ではない障がいとして,発達障害や知的障害,高次脳機能障害がある方のご家族にマッチングした犬を譲渡するWith You プロジェクトを行なっています.穏やかで共に過ごすのはとても楽な犬でも,乗り物が苦手,匂い嗅ぎが好き,雷が怖い等々,犬としては当然の性質は介助犬になるにはストレスになってしまいます.そのような犬達は介助犬ではなく,With You プロジェクトとして障害者・児がおられるご家族に譲渡しています.「家族の関係がよくなった」「犬の世話が出来る事が分かった」「犬に対して優しくする一面を見られた」と報告を頂いています.介助作業よりも何よりも,ふれあいが好きで,ずっとずっと人と寄り添っていたい性質の犬もいます.そのような犬達はDog Intervention(犬の介入)として医療・福祉等の専門職に対してハンドラーとなる研修を提供し,病院やクリニック等での治療やリハビリ,カウンセリングなどのサポートをしています.最近は,虐待や性被害を受けた児童が弁護士や警察などの面談,裁判での証言をする際寄り添ってサポートする付添犬としての活躍も始めています.
 犬達が一人でも多くの,困難を抱えた人・子供を元気に,笑顔に出来るように,犬達の力について,介助犬の効果について,知っていただく機会として頂けることを願います.そして,犬が持つ最も大きな力,心のバリアを持たず,楽しいことと美味しいことだけを求めて常に明るく元気に他者と関わっていく素晴らしさを伝えることを通して,心のバリアフリー普及を拡げていきたいと考えます.