一般社団法人日本学校保健学会第68回学術大会

大会長挨拶

 


第68回学術大会 大会長 森岡郁晴(和歌山県立医科大学)






 新型コロナウイルス感染症で,学校現場は一変しました.未だに収束が見えませんが,社会経済活動は少しずつ流行前の状態に戻りつつあります.学校においても授業や行事が行われています.会員の皆様の中には,感染症対策にご尽力された方も多いと思います.
 一般社団法人日本学校保健学会の第68回学術大会を,2022年11月4日(金)~ 6日(日)に,和歌山県立医科大学伏虎キャンパス(和歌山県和歌山市)で開催いたします.開催形式は,新型コロナウイルス感染症の流行の状況を鑑み,Web主体にいたしました.皆様方を和歌山市にお招きし,多くの参加者とともに学校保健について語り合う時間を設けるつもりでしたが,その願いは叶わず,残念な気持ちでいっぱいです.
 今回のテーマは,「学校保健,人生100 年時代の礎」です.人生100 年時代を迎え,高齢になっても健康で充実した人生を送れるよう,学校の健康教育の重要性は,これまで以上に高まっています.そこで,このテーマでシンポジウムを企画し,子どもの頃から健康的な生活を身に付け,そしてそれらが習慣になるまでの支援について,一緒に考えたいと思います.さらに,このテーマに関連した課題別セッションを設け,オンラインで発表者と参加者が意見交換できるように配慮しました.
 和歌山県は,南海トラフ地震による被害が想定されています.地震等の災害時には学校が避難所となることが多いため,学校における災害の備えを検討しておく必要があります.一方,児童虐待も20万件を超し(2020年),その対策として学校での役割が注目されています.これらのテーマについて,特別講演を設けました.
 これらの企画は学会当日のライブ配信ですので,自宅あるいは学校から,自由な雰囲気で参加していただければと思います.
 オンデマンド配信では,シンポジウム,教育講演等を提供しています.学校保健活動の充実,学校での怪我,学校環境衛生活動など,学校現場で役立つ内容が盛りだくさんです.市民公開講座では,睡眠の大切さについてお話をしていただきます.一般演題では,ポスター部門も設けたところ,多くの演題が集まりました.Web開催ですので対面での討論はできませんが,特設サイトでの活発な質疑応答を期待しています.
 オンデマンドは11 月末まで,24 時間,何回でも視聴できます.お時間のある時にご活用ください.
 Web開催でも意見交換が十分にでき,有意義な学術大会にしたいと考えています.皆様の積極的な参加をお願いします.