第24回風工学シンポジウム

講演情報

口頭講演

構造物の応答・制御

2016年12月7日(水) 09:30 〜 11:18 建築会館ホール (建築会館)

司会:北川 徹哉(法政大学)

09:48 〜 10:06

[49] 風応答時における実大粘弾性ダンパーの簡易評価実験および解析モデルの提案

○佐藤 大樹1、笠井 和彦1、杉山 暢方2、松田 和浩1 (1.東京工業大学未来産業技術研究所、2.(株)フジタ(元東京工業大学大学院生))

キーワード:粘弾性ダンパー、風応答、解析モデル、簡易評価手法、熱伝達

粘弾性ダンパーは微小変形から振動エネルギーを吸収するため,地震時の応答だけでなく風応答の制振装置として有用である。粘弾性ダンパーは振動時に吸収した振動エネルギーを熱へと変換する際に発熱し,粘弾性体温度が上昇する。その温度上昇に伴いダンパー性能が低下する特性(温度依存性)を有している。さらに,発熱量は振動数に依存する特性(振動数依存性)も有する。そのため,継続時間が長い風応答の制振に粘弾性ダンパーを用いる場合には,長時間のランダム振動によるダンパー温度および動的特性の変化を,実大ダンパーを用いた動的加振実験により検証を行なう必要がある。本報では,実大の粘弾性ダンパーを対象とした加振実験を行い,風応答時におけるダンパーの温度上昇および動的特性を検討するとともに,正弦波置換法の実大粘弾性ダンパーに対する適用性を検証し,さらに長時間の繰返しによる特性変化を再現できる解析モデルを提案することを目的とする。