第24回風工学シンポジウム

講演情報

口頭講演

耐風設計(1)

2016年12月7日(水) 11:25 〜 12:37 建築会館ホール (建築会館)

司会:喜々津 仁密(国土技術政策総合研究所)

11:43 〜 12:01

[55] 木造住宅の垂木-軒桁接合部の耐風性能算定と経年劣化の影響

○今野 大輔1、吉田 早智子1、ガヴァンスキ 江梨2、植松 康1 (1.東北大学大学院 工学研究科 都市・建築学専攻、2.大阪市立大学大学院 工学研究科 都市系専攻)

キーワード:木造住宅、垂木-軒桁接合部、経年劣化、耐風性能

木造住宅の屋根勾配や経年劣化が小屋組の耐風性能に及ぼす影響を検討するために,「屋根勾配を変化させて製作した垂木-軒桁接合部を模擬した試験体」と「既存の木造建物から取り出した垂木―軒桁接合部」を用いた実物大耐力試験を行った。
垂木-軒桁接合部の引張試験においては,屋根勾配が変化することで,破壊性状に違いが生じることが明らかになった。また,速い載荷速度の場合には最大耐力に影響を及ぼさないが,遅い載荷速度の場合には最大耐力の低下が見られた。
取り出した垂木―軒桁接合部の引張試験においては,接合に用いられている釘表面に発錆している場合には,新品の釘を用いた場合よりも最大耐力が向上することが明らかとなった。よって,部材の劣化が接合部の持つ耐力に対して,必ずしも負の影響を与えるわけではないことが明らかとなった。