第24回風工学シンポジウム

講演情報

口頭講演

風環境(2)

2016年12月5日(月) 14:50 〜 16:02 建築会館ホール (建築会館)

司会:佐々木 澄(清水建設(株))

15:44 〜 16:02

[17] 建物配置と周辺の風環境と温熱環境の関係の分析

―沿岸都市と内陸都市の建物周辺環境の比較―

○胡 家龍1、楊 光2、玄 英麗3、持田 灯1 (1.東北大学大学院工学研究科、2.遼寧工程技術大学建築工程学院、3.名古屋大学大学院環境学研究科)

キーワード:沿岸都市、内陸都市、風環境と温熱環境、建物間隔

本研究では、沿岸都市と内陸都市における建物周辺の風環境と温熱環境の相違を明らかにするため、中国で地勢の第3段の平原に位置し、同じ夏熱冬冷気候分区に属する緯度が比較的近い2つの地域中心都市、すなわち上海(代表的な沿岸都市、121°45'E、31°40'N)と武漢(代表的な内陸都市、114°13'E、30°62'N)(図1)を対象とする解析を行った。緯度の近い沿岸都市と内陸都市の風環境と温熱環境を比較して、以下の結論を得た。1)上海と武漢の建物周辺の風速分布を比較すると、建物間隔(D)が減少するとともに、建物周辺で不均等な風速分布が発生し、相対的に高風速領域と低風速領域に分かれる傾向が認められる。2)上海や武漢など中緯度地域に位置した都市において、建物間隔(D)の変更によって日射の影響を制御することが可能であり、よりいい温熱環境を作ることができると考えられる。3)上海のような沿岸都市は武漢のような内陸都市に比べ、風速がより高い。両都市における建物間隔(D)が等しいケースを比較すると、上海のほうはよりいい温熱環境が期待できる。