9:00 AM - 10:40 AM
[JCAA-7] 膝下単独病変有する重症虚血肢における血管内治療後の創傷治癒遅延予測因子およびリスク層別化による検討
Keywords:critical limb ischemia, endovascular therapy
【目的】重症虚血肢(CLI; critical limb ischemia)に対する血管内治療(EVT; endovascular therapy)後における創傷治癒遅延に関わる因子を同定し,またその因子を用いてリスク層別化による検討を行った。【方法】日本国内における多施設後ろ向き研究で,2004年4月から2012年12月にEVTを実施した膝下単独病変有するCLI連続734患者,873患肢を対象とした。カプランマイヤー法により創傷治癒率を算出した。創傷治癒遅延(創傷治癒にEVT後1年以上要す)に関わる因子をCox比例ハザードモデルにて同定した。【結果】平均年齢は71±10歳,男性が71%であった。糖尿病と維持透析は其々75%と64%であった。Rutherford(R)5は67%; R6(踵のみ)は8%; R6(踵のみ以外)は25%であり,また42%で感染を合併していた。1年時点での大切断回避率は88%,創傷治癒率は67%であった。中央治癒期間は146日であった。多変量解析では,血清アルブミン値3g/dL以下,R6(踵のみ以外),創部感染症,Angiosomeに則らないEVT,EVT後足関節以下run-off本数が同定された。リスク層別化では,高,中,低リスク群の1年創傷治癒率は各々77%,55%,29%であった(P<0.01)。【結論】低アルブミン血症,R6(踵のみ以外),創部感染症,indirect EVT,and乏しい足関節以下run-offがEVT後の創傷治癒遅延と関わる因子であった。同定したリスクによる層別化は有用であった。