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[JCSY-4-1] PCI施行時における抗血小板療法
冠動脈ステント留置後、ベアメタルステント(BMS)にせよ、薬剤溶出性ステント(DES)にせよ、二剤併用抗血小板療法(DAPT)が必須である。本邦では、アスピリンとクロピドグレルの他に、プラスグレルも最近保険認可された。ステント留置後、一定期間のDAPTが必須で、その後生涯、アスピリンが推奨されている。しかしながら、WOEST試験を違った角度からみると、抗血小板薬を減らす際にアスピリンは一生継続と思われていたことに対し、他剤でも可能というこれまでの発想とは異なることが不可能ではないことを示した意義は大きい。ステント留置術後の期間に関しては、BMSにせよDESにせよ、急性冠症候群では、1年の継続が推奨されているが、DESの種類によっては、6ヶ月、3ヶ月でも良いとする報告もみられる。クロピドグレルは主に肝チトクロームCYP2C19の代謝をうけることにより活性型へと変換され効力を発揮する。欧米でのメタ解析では、CYP2C19遺伝子多型と心血管イベントの間に有意な関連を示さないとの報告もあるが、白人と比較して日本人を含めたアジア人ではCYP2C19機能喪失対立遺伝子を持つ割合が高いという点を考慮すると、考慮すべき因子のひとつかもしれない。薬物相互作用や、心血管イベント再発ハイリスク群を層別化することへの遺伝子多型の有用性についても検討する。