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[O-13-3] 下肢動脈バイパスにおける大伏在静脈術前評価のためのmodalityの有用性~超音波検査とCTの比較~
Keywords:GSV, modality
【目的】バイパスグラフトとして,大伏在静脈(GSV)の使用の可否は,超音波検査(US)で評価することが一般的であるが,手術所見と術前評価が一致しないことも経験する。当院ではGSVの確実な術前評価のため,CTでの評価もあわせて行っている。今回,CTとUSによる検査結果を比較検討し,各modalityの有用性を評価した。【対象と方法】当院では,GSV使用基準は術前画像評価において2mm以上と規定している。2013年1月から2014年6月の間に,閉塞性動脈硬化症に対し,GSVをグラフトとして用いた下肢血行再建術29例30肢を対象とし,大腿近位,中央,膝,下腿中央でのGSVの最大横径をUS及びCTで計測し,比較検討した。USでの評価は全て同一のCVT認定技師が行った。【結果】CT/USでの大腿近位,中央,膝,下腿中央でのGSVの最大横径の平均はそれぞれ4.6mm/4.1mm,4.3mm/3.3mm,3.8mm/2.9mm,3.2mm/2.8mmであり全ての部位でCTの方が有意に大きかった。28肢はCT,US共に2mm以上あり,グラフトとして使用可能と評価されたが,1例2肢でUS(2mm以下)とCT(3mm以上)の結果に明らかに乖離があった。術中所見では採取静脈には3mm以上の径があった。【結語】GSVの術前評価として無侵襲で簡便なUSの有用性は確立しているが,手技的問題や患者の全身状態で過小評価の可能性もあり,USで使用不能と判断された場合はCTによるdouble checkが重要である。