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[O-14-2] 動脈硬化症評価におけるCAVIの有用性に関する検討―NIPPON DATA80リスク評価チャートとの対比―
Keywords:NIPPON DATA80, CAVI
【目的】動脈硬化性疾患の予防・管理にはNIPPON DATA80リスク評価チャートが広く用いられている。またCardio Ankle Vascular Index(CAVI)は動脈硬化の簡易検査として普及しつつある。今回はこの両者を対比し,CAVIの有用性を検討した。【対象・方法】循環器疾患,脂質代謝異常,耐糖能異常などにて当センター診療中の患者で,生化学検査と動脈硬化評価目的でCAVIを同日施行した者のうち,不整脈頻発例,ABIが0.9以下,1ヶ月以内の冠動脈形成術などの侵襲的治療例,透析治療患者を除外した327例(男193例,女134例,平均年齢68.6±11.5歳)を対象とした。CAVIはフクダ電子VaSera VS-1500で測定し,左右平均値を患者のCAVI値とした。年齢,性別,収縮期血圧,血糖,総コレステロール,喫煙習慣を用い,NIPPON DATA80から求められた冠動脈疾患,脳卒中,心血管疾患の各チャートより10年死亡率を算出した。10年死亡率により対象を0.5%未満,0.5-1%,1-2%,2-5%,5-10%,10%以上の6群に分類しCAVI値との関連を検討した。【結果】各群のCAVI平均値は,冠動脈疾患チャートの分類では0.5%未満群:7.2±1.2,0.5-1%群:8.4±1.3,1-2%群:9.2±1.5,2-5%群:9.3±1.4,5-10%群:10.0±0.9,10%以上群9.5±0.6であった。脳卒中チャートでは同様に7.1±1.2,8.2±1.1,8.5±1.3,9.3±1.7,9.3±1.2,9.9±1.4となった。心血管疾患チャートでは6.8±1.2,8.1±1.0,8.8±1.5,9.1±1.4,9.6±1.3,9.6±0.6となり,ほぼすべてでリスクの進行に伴いCAVI値が増加した。【結語】CAVI値は各種動脈硬化性疾患のリスク増加を正確に反映することから,これら疾患の予防および管理において有用な検査であると考えられた。