第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

検査・診断3

Thu. Oct 30, 2014 3:14 PM - 3:46 PM 第5会場 (201会議室)

座長: 地引政利(国際医療福祉大学 塩谷病院 血管外科)

3:14 PM - 3:46 PM

[O-14-3] 両腕血圧左右差を有する患者の頸動脈病変

横山直之1, 鈴木伸明1, 上妻謙1, 大村直子3, 馬杉英男3, 千久田いくみ3, 古川泰司2, 一色高明1 (1.帝京大学 循環器内科, 2.帝京大学病院 臨床検査医学, 3.低級大学病院 中央検査部)

Keywords:Inter-arm BP Difference, Carotid Ultrasound Measures

【背景】両腕血圧左右差は総死亡ならびに心血管死と有意に相関する。特に左右差が15mmHg以上ある例では心血管病変の精査を考慮する必要がある。しかしながら,血圧左右差症例における頚動脈病変の検討は十分に行われていない。【目的】両腕血圧左右差を有する患者における頚動脈病変の有病について検討すること。【方法】2010年2月から2011年11月までに行われた初回PWV/ABI計測例の内,3ヶ月以内に頚動脈エコー検査を施行した709例を対象とした。両腕血圧左右差はform PWV/ABI(オムロンコーリン社)にて測定した血圧値を用いて算出し,左右差が15mmHg以上の症例(A群)と15mmHg未満(B群)の2群に分けて検討した。頚動脈病変に関しては,頚動脈エコー検査を用いて,最大内膜中膜複合体(max IMT)を求め,max-IMTが1.0mmを超える場合を頸動脈プラーク病変,狭窄部面積狭窄率90%以上または狭窄部の収縮期最高流速(PSV)が200cm/sec以上を有意頚動脈閉塞性病変と定義した。【結果】709例中,両腕血圧左右差が15mmHg以上あったのは8例だった。両腕血圧左右差とmax IMTには有意な相関関係が認められた(r = 0.11; p=0.003)。A群のmax IMTは,B群と比較して有意に高かった(2.4±1.0mm vs. 1.3±0.7mm,P<(全角)0.001)。頚動脈プラーク病変関しては,A群で有意に高かった(100%vs. 49.8%,P=0.008)が,有意頚動脈閉塞性病変は,A群で高い傾向であったが,群間差は無かった(25%vs. 5.1%,P=0.064)。【結論】両腕血圧左右差が15mmHg以上の症例では,頸動脈プラーク病変の有病が高いため,頸動脈エコー検査を行う必要性が示唆された。