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[O-15-4] 腸骨静脈領域におけるステント留置術の検討
Keywords:iliac vein, stent
【目的】腸骨動脈領域におけるステント留置術の有用性はすでに広く合意されている。反面,腸骨静脈領域のステント留置術は,未だ議論のある部分である。当院において腸骨静脈領域にステントを留置した症例について検討したので報告する。【方法】2012年9月から2014年2月まで腸骨静脈領域にステントを留置した5例(男:女=3:3,平均年齢68.8±14.7歳)について,基礎疾患,留置部位,合併治療,ステント開存などについて検討した。【結果】基礎疾患は,深部静脈血栓症が4例,動脈瘤が1例であった。深部静脈血栓症の4例はいずれも左下肢で,左総腸骨静脈の腸骨静脈圧迫症候群に対してステントを留置した。3例はカテーテル血栓溶解療法(CDT)を施行した後に残存狭窄に対して治療を行った。1例は観血的血栓除去術と同時にステントを留置した。動脈瘤症例は,腹部大動脈瘤合併例で内腸骨動脈瘤による右総腸骨静脈圧迫症例であった。深部静脈血栓症の合併はなく,高度の右下肢浮腫を認めていた。右内腸骨動脈末梢をコイル塞栓し腹部大動脈瘤に対してステントグラフトを留置。その後,右総腸骨静脈にステントを留置した。使用したステントの内訳は,スマートステント2例(10×40mm,8×40mm),エピックバスキュラーステント3例(10×40mm,2例,12×40mm,1例)だった。平均観察期間は18.4±14.5ヶ月(4-42ヶ月)で全例ステント内は開存していた。【まとめ】今回の検討では,留置したステントはいずれも開存していた。治療に関係した有害事象は認めなかった。腸骨静脈圧迫症候群に対して腸骨静脈ステント留置は有効な治療法と考える。