第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(口述)

冠,肺血管

2014年10月30日(木) 16:26 〜 17:30 第5会場 (201会議室)

座長: 安藤太三(総合大雄会病院 心臓血管センター), 濱野公一(山口大学大学院 器官病態外科)

16:26 〜 17:30

[O-16-8] 急性肺塞栓症に合併したMay-Thurner Syndromeに対するEVT

中間泰晴, 森田祐一, 播磨綾子, 橋本東樹, 臺和興, 大井邦臣, 岡俊治, 西岡健司, 三浦史晴, 嶋谷裕二, 井上一郎 (広島市立広島市民病院)

キーワード:May-Thurner syndrome, EVT

腸骨静脈領域の血栓症は血栓量が多く,治療に難渋することが多い。すなわち血栓溶解療法などを用いても静脈が再開通することが少なく,結局側副血行路の発達を待つことになる場合が多い。これらの経過は長く,患者さんの症状も長く改善しない。また,静脈炎症候群によるQOLの低下や下大静脈フィルターの永久留置を余儀なくされることが多い。以上よりいかに腸骨静脈の開存性をすみやかに得てそれを保つかが重要となる。当院では通常の治療に対して不応性である腸骨静脈血栓症に対し最終手段として血栓押し出し療法という方法を編み出した。これは下大静脈フィルター存在下に血栓の末梢でバルーン拡張してそのまま血栓ごと中枢に押し出す方法である。治療効果が良好であるためこれを報告する。また,再閉塞例ではステント留置を追加することで慢性期成績が向上するためこれについても報告する。