下肢静脈瘤1

[O-19-4] 下肢静脈瘤に対する980nmレーザー焼灼術4,460例における合併症の検討

^〇手塚雅博^1,2, 瀧澤玲央^1,2, 馬場健^1,2, 福島宗一郎^1,2, 百川文健^1,2, 宿澤孝太^1,2, 原正幸^1,2, 金子健二郎^1,2, 西堂万希子¹, 宮崎有子¹, 安藤円香¹, 青木哲¹, 金岡祐司^1,2, 佐久田斉^1,2, 大木隆生^1,2 (1.銀座7丁目クリニック, 2.東京慈恵会医科大学 血管外科)

Keywords:varix, EVLT

【はじめに】下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術(EVLT)が保険収載されてから3年が経過し，その低侵襲さのため急速に普及してきている。しかしながら，EVLTを施行した中にはendovenous heat-induced thrombus(EHIT)や神経障害等の合併症を発症した症例も散見される。今回は当クリニックで施行したEVLT後の合併症について検討した。【対象と結果】過去3年間で980nmレーザーを用いてEVLTを施行した4,460例を対象とした。平均年齢62.9歳，女性3,249例(72.8％)，治療部位は大伏在静脈3,651例(81.9％)，小伏在静脈771例(17.3％)，その他(穿通枝，側枝等)38例(0.9％)であった。平均TLA使用量は330mL，照射エネルギー密度は70J/cmでEVLTを施行し，瘤切除を含む平均手術時間は45分であった。術後観察期間1ヵ月から27ヶ月では再疎通を11例に認め，伏在静脈閉塞率は99.8％であった。術後合併症として小伏在静脈の1例に下肢動静脈瘻を認め初回手術後1か月後にコイル塞栓術を施行した。EHITはClass1;50例(1.1％)，Class2;13例(0.3％)の計63例(1.4％)に認めた。Class3以上のEHIT，DVT等重篤な合併は認めなかった。また，神経障害21例(0.5％)，表在性血栓性静脈炎18例(0.4％)を認めた。【結語】今回の結果から，下肢静脈瘤に対する血管内治療のガイドラインをきちんと順守してEVLTを施行すれば，特別な合併症対策を講じなくとも合併症は低く抑えられることが判明した。