10:52 AM - 11:40 AM
[O-19-6] 整形外科病院での下肢静脈瘤治療の導入~EHITに対する対策を中心に~
Keywords:EVLA, EHIT
【はじめに】下肢静脈瘤の血管内レーザー治療(EVLA:endogenous laser ablation)は標準治療となり,血管外科を専門とする病院では必須であるといっても過言ではない。当院は整形外科・脳卒中リハビリが中心だが,2013年5月に血管外科を新規開設,9月よりEVLAを開始した(980nmレーザー使用)。整形外科病院におけるEVLA治療の現況,さらにEHIT(endovenous heat-induced thrombus)の起きやすい因子について検討した。【対象】2013年9月~2014年6月にEVLA施行一次性下肢静脈瘤74例79肢を対象,当科受診のきっかけ,合併症や再疎通の有無について検討した。EHIT対策として,前期10例はSFJから10cmで焼灼したが後期64例では20cmとした。またGSVと大腿静脈の合流角度に着目しEHIT群と非EHIT群で比較検討した。【結果】年齢は平均67.7歳,性別は男性26例・女性53例,照射部位はGSV71肢・SSV2肢・GSV+SSV6肢,当科受診のきっかけは整形外科からが35例と最も多かった。CEAP分類ではC2/C3/C4 33/36/10例,平均焼灼距離はGSV44.3cm,SSV18.0cm,併施術式はGSV末梢結紮5例,SSV結紮9例,穿通枝結紮4例,硬化療法2例,対側GSV高位結紮1例であった。EHITは前期10例中2例(20.0%),後期74例中8例(10.8%)でおこり,10例(12.7%)全てclassIであった。EHIT群では合流角度が27.8度で非EHIT群の34.3度と比較して緩やかであった(p<0.0005)。再疎通は1例で認め術後で認められ,GSVの径は最大径は下腿上部で12.3mmであった。【まとめ】整形外科病院で下肢静脈瘤のEVLAを導入し,整形外科からの紹介が最も多かった。EHIT対策としてSFJからの照射開始距離を20cmとし,GSV・大腿静脈の合流角度の緩やかな症例では特に注意を払った。