1:00 PM - 1:48 PM
[O-20-4] 当院における下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療の現状
Keywords:EVLA, EHIT
【はじめに】下肢静脈瘤は血管外科領域で最も遭遇することが多い疾患で,その根本的治療は高位結紮術やストリッピング術であった。本邦でも2011年に血管内レーザー治療(endvenous laser ablation:EVLA)が保険適用され治療の主流となりつつあり,当院では2012年にEVLAが導入され2013年より本格稼働となった。当院でのEVLAの現状と合併症などについて報告する。【対象および方法】2013年1月から12月までに当院にて静脈瘤手術を実施した95例のうちEVLAを実施した64例(男性25例,右下肢23例,左下肢41例)を対象とした。治療部位は全例大伏在静脈で下腿の静脈瘤切除術を同時におこなった。EVLAは心臓血管外科医師が手術室でおこない,術中血管エコーは検査技師が清潔野操作で実施した。使用機器はELVeSレーザー(インテグラル社),血管エコーはVivid E9(GE社)を使用した。【結果】平均照射距離は30.7cm(14-50cm),平均全照射量は2191J(983-3502J),平均在院日数は3.84日(2-22日)であった。治療後合併症は53例(83%)にみられ,内訳は疼痛・ツッパリ感49例(77%),皮下出血16例(25%),水泡形成3例(5%)で,半年経過後も症状がみられたのは2例(痛み,しびれ)だった。Endovenous Heat Induced Thrombosis(EHIT)は術後72時間以内では1例(class3),術後1か月では3例(class3:2例,class4:1例)に認められた。【まとめ】治療後,約8割の患者に疼痛などの症状がみられたが大部分は経過観察で消失した。EHITは術後72時間以内では1例のみであったが,術後1か月では3例に認められ経時的な超音波検査の重要性が示唆された。