動脈瘤1

[O-23-1] 内臓動脈瘤に対するNBCAを用いた経皮経カテーテル塞栓術

^〇小泉淳¹, 伊藤千尋¹, 原拓也¹, 関口達也¹, 野村敬清¹, 森なお子¹, 明神和紀¹, 橋本毅¹, 田中千陽², 志村信一郎², 市川珠紀¹, 今井裕¹ (1.東海大学 画像診断学, 2.東海大学 心臓血管外科)

Keywords:visceral aneurysm, NBCA

【目的】動脈瘤に対するNBCAを用いた経皮的塞栓術の有用性を検討すること。【方法】対象は17人18動脈瘤で，部位は脾5，内腸骨5，肝3，腹腔1，胃十二指腸1，腎1，子宮1，胸部大動脈1，病因は動脈硬化10，仮性瘤3，感染性3，正中弓状靱帯圧迫2である。13動脈瘤に対してコイルをframingもしくはnestとして併用し，残りはNBCAのみを使用した。Flow controlとしてバルンカテーテルを，また遠位塞栓防止のために分枝塞栓にコイルをおのおの5動脈瘤に併用した。【成績】 8.2±9.9 mLの動脈瘤に対し，わずか0.2±0.2mLのコイル(充填率3.8±4.3％)に1.9±2.0mLのNBCA(濃度41.3±10.6％)を用いることで，1例を除く動脈瘤の消失を得られた(技術的成功率94.4％)。また感染瘤2個が後に再発した。脾腫をともなう2脾動脈瘤で意図的に遠位塞栓し部分的脾動脈塞栓術とした。また内腸骨動脈瘤2個で意図せず遠位塞栓をきたしたが臨床的合併症をきたさなかった。40％以上の高濃度NBCAとframing coilsの併用が有意に(p＜0.05)遠位塞栓を減らせた。またNBCAは血管内で4.4±3.9倍に膨張することが判明した。【結論】NBCAを用いた動脈瘤塞栓術はコイルを大幅に削減でき，医療費削減と手技時間の短縮につながる。