第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

動脈瘤2

Fri. Oct 31, 2014 9:40 AM - 10:20 AM 第4会場 (203会議室)

座長: 進藤俊哉(東京医科大学八王子医療センター 心臓血管外科)

9:40 AM - 10:20 AM

[O-24-2] 破裂性腹部大動脈瘤に対する術後リハビリテーション

徳重大輔1, 東海林さとみ1, 齋藤泰史2, 山下武廣2, 鈴木正人3, 野村文一3, 大川洋平3 (1.心臓血管センター北海道大野病院 リハビリテーション科, 2.心臓血管センター北海道大野病院 循環器内科, 3.心臓血管センター北海道大野病院 心臓血管外科)

Keywords:RAAA, Rehabilitation

【はじめに】腹部大動脈瘤に対する待機的手術後は,廃用症候群や呼吸器合併症予防の観点から,早期のリハビリテーションが推奨される。しかし,破裂性腹部大動脈瘤(RAAA)では,緊急手術を要することがほとんどであり,全身状態が不良で術後合併症も多く,リハビリテーションに関する一定の見解は得られていない。今回,当院で経験したRAAA術後リハビリテーションについて検討した。【対象】2012年4月から2014年3月に当院で緊急手術が施行された5例(全例男性,平均年齢77.4歳)を対象とした。全例において,術前は歩行可能であった。【結果】術式は,開腹下人工血管置換術(OR)3例,ステントグラフト内挿術(EVAR)2例。術後から抜管までの時間は743.6分(OR;891分,EVAR;522.5分),酸素投与期間は6.2日(OR;8.6日,EVAR;2.5日),食事開始までの期間は6.75日(OR;11.5日,EVAR;2日)であった。術後合併症は,OR例にイレウス2例,肺炎1例を認めた。リハビリテーションは,全例で術翌日より開始した。術後肺炎を発症し再挿管となったOR1例を除き,歩行開始までの期間は1.7日(OR;2.0日,EVAR;1.5日),200m歩行までに要した期間は3.5日(OR;5日,EVAR;2日)であった。術後在院日数は40.6日(OR;45.8日,EVAR;36.5日)で,全例生存退院した。5例中4例は独歩で自宅退院に至ったが,1例は歩行が獲得できず自宅退院困難なため転院した。【結語】RAAAでは,術後の合併症に注意を要するが,早期からのリハビリテーション介入は身体機能・ADLの回復に有用であった。EVAR例では,OR例に比べ手術侵襲が低く,より早期のADL回復が期待出来る。