第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

動脈瘤2

Fri. Oct 31, 2014 9:40 AM - 10:20 AM 第4会場 (203会議室)

座長: 進藤俊哉(東京医科大学八王子医療センター 心臓血管外科)

9:40 AM - 10:20 AM

[O-24-5] 広頸嚢状腎動脈瘤に対するバルーンアシスト離脱式コイル塞栓術の有用性

山田哲久, 堀田昌利, 山下晶祥, 原田明典, 清水崇史, 渡邊貴史 (日本赤十字社医療センター 放射線科)

Keywords:Renal aneurysm, Embolization

【目的】広頸嚢状腎動脈瘤に対するバルーンアシスト離脱式コイル塞栓術の有用性を報告する。【対象及び方法】対象は広頸嚢状腎動脈瘤5例である。瘤径は20-22mm,瘤の位置は腎動脈本幹1例,3例が腹側・背側2区域枝分岐部,1例は3区域枝分岐部に存在した。5例とも3D-造影CTAにて PTAバルーンカテーテルにて瘤から分岐する区域枝をプロテクトし,瘤体部のみをisolationできるアプローチ法を術前に検討した。血管造影にて瘤と区域枝分岐位置を確認し,6F ガイディングカテーテルから4F PTA バルーンカテーテル(5mmx4cm)を瘤頸部からプロテクトする区域枝にかけて留置した。次に血管造影用カテーテルをガイドとして2マーカー付マイクロカテーテルを瘤体部に挿入しBalloon inflation下で造影を行い瘤体部のisolationを確認後,瘤パッキングを行った。瘤のパッキングは2例にIDC-18コイル,3例にGDC-18 360°コイルを使用した。【結果】広頸嚢状腎動脈瘤5例とも瘤体部コイルパッキング後の腎動脈造影で瘤の血流が完全に消失しているのを確認した。また,腎動脈区域枝の閉塞や腎梗塞等の合併は全例に認めなかった。術後の経過観察は3D-造影MRAでおこなった(follow-up期間:10-48か月)。IDC-18コイル使用2例に瘤頸部に残存血流を認めたが,瘤の増大は認めていない。GDC-18 360°コイル使用3例には瘤頸部に血流は認めず,再発はない。【考察】広頸嚢状腎動脈瘤は腎動脈区域分岐部が好発部位であり,これまで外科的治療が困難であった広頸嚢状腎動脈瘤に対してバルーンアシスト併用下離脱式コイル塞栓術は安全で有用な方法と考えられた。今後,さらに症例を蓄積し検討していく予定である。