2:10 PM - 2:50 PM
[O-3-3] 無症状B型大動脈解離に対するentry closureを目的としたTEVAR
Keywords:type B dissection, TEVAR
慢性期の瘤化を予防するために拡大傾向を示す偽腔開存型B型大動脈解離やentry近傍のULPに対しentry closureを目的としたTEVARを5例に施行したのでその成績を報告する。【症例】偽腔開存型B型大動脈解離は3例で,うち1例はA型大動脈解離に対する全弓部置換術の際留置されたエレファントトランク末端に存在したre-entryがentryとなっていた。いずれも発症後または術後数週間で自宅退院していたが,半年以内のCTで近位下行大動脈の急速な拡大を認めたためTEVARの適応となった。ULPは2例で,発症後3週間で自宅退院するも半年以内のCTで近位下行のentry周囲のULPの拡大を認めたためTEVARの適応となった。頸部分枝のdebranchingを要したものは2例で左総頚動脈-左腋窩動脈バイパスの後,zone 2 landingでのTEVARを施行した。デバイスはGore-comformable TAG3例,Valiant1例,Zenith TX2 1例であった。ULPの2例と全弓部置換術後で中枢側のlanding zoneがエレファントトランクであった1例では直管型のステントグラフトを1本用いたが,中枢側の弓部大動脈と末梢側の真腔に口径差のあった他の2例では6mmの径差がある2本のステントグラフトを用いた。【結果】術後1週間のCT検査では1例でごくわずかな偽腔への血流が残存したが偽腔は血栓化した。本例では左総頚動脈と左鎖骨下動脈が隣接しており,cTAGの先端を左鎖骨下動脈の起始部と半分overlapさせて留置していた。他の4例ではentry closureに成功し,偽腔は血栓化した。【結語】瘤の拡大傾向やULPの形成を認めた無症状B型大動脈解離に対して亜急性期にTEVARを施行し良好な早期成績が得られた。今後,瘤径や残存解離腔の推移についての厳重なfollow upが必要である。