第55回日本脈管学会総会

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一般演題(口述)

TEVAR2

Thu. Oct 30, 2014 2:10 PM - 2:50 PM 第4会場 (203会議室)

座長: 安達秀雄(自治医科大学附属さいたま医療センター 心臓血管外科)

2:10 PM - 2:50 PM

[O-3-4] 腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術後の早期退院に向けての取り組み

水谷元樹1, 田中良亮1, 金子完2 (1.社会医療法人 杏嶺会 一宮西病院 リハビリテーション科, 2.社会医療法人 杏嶺会 一宮西病院 心臓血管外科)

Keywords:EVAR, Early discharge

【はじめに】腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(EVAR)は低侵襲であり,外科的手術のリスクが高い高齢者において適応となる。しかし,高齢ゆえに術前より身体機能に障害を有することも多く退院が長期化する懸念があり,当院では術後5日以内での退院を目標に積極的にリハビリを取り組んでいる。今回その取り組みについて調査し,その結果と若干の考察を加えて報告する。【対象と方法】当院にて2014年1月から6月にEVARを施行した症例の内,瘤破裂症例を除く11例(男性10例,平均年齢74.0±6.6歳)を対象とし,診療記録より後方視的に調査した。術後の離床に関しては当院で作成した離床プログラムに準じて進行した。術後1日目にベッド周囲から病室内歩行,2日目に病棟内歩行,3日目に院内歩行の自立を目標に歩行距離,ADL拡大を進めている。【結果】平均手術時間は90分,ICU平均在室日数は1.0日,術後平均在院日数は6.0日であった。退院時に影響を及ぼす術後合併症は認めず,術後5日以内に退院した症例は5例(45%)であった。術後5日以内に発熱を有した症例は2例おり,内1例は5日目以降の退院となった。離床プログラムの進行状況に関しては全例で術後5日目には院内歩行まで完遂していた。【考察】離床プログラムに準じて,リハビリが介入することで身体機能を的確に評価し,早期より術前ADLの獲得が行え,術後の在院期間の短縮が図れたと考える。術後の発熱にて離床が中断することもあったが,概ね良好な経過と考える。しかし,術後5日以内に退院が出来なかった症例においては,高齢者は同居者の存在もあり,早期退院が可能な状態でも社会的な理由で退院が延期していた可能性があった。