2:50 PM - 3:38 PM
[O-4-2] Endurant留置症例における脚の走行の違いによる周術期,術後経過の検討
Keywords:EVAR, cross-leg
【目的】腹部大動脈瘤に対するEVAR施行時に,左右総腸骨分岐角が開大している症例では対側ゲート内の選択に難渋することにしばしば遭遇する。我々の戦略として対側から挿入した造影カテーテルの走行を考慮し,その近傍に対側脚ゲートを留置する方法を用いている。しかし,脚の走行がcross-legとなった場合の中期成績は明らかではない。今回我々は,Endurantにおける脚の走行の違いによる周術期,術後経過について検討した。【方法】対象は,2011年12月から2013年5月までに腹部大動脈瘤に対して,Endurantが留置され,1年以上CTにて経過観察できた25症例((平均年齢77.9歳,男性22例,cross-leg法:14例,非cross-leg法11例(縦位置:8例,横位置:3例))である。これらの症例に対して,フォローアップ期間,腹部大動脈瘤径,総腸骨動脈分岐角,メインボディー留置直前造影から対側脚選択後の確認造影までの時間,合併症について検討した。【結果】平均フォローアップ期間は498日,cross-leg法:縦位置:横位置の術前腹部大動脈瘤平均最大短径は55.6:50.6:53.3ミリ,総腸骨動脈平均分岐角は51.1:33.1:38.2度,メインボディー留置直前造影から対側脚選択後の確認造影までの平均時間は8分52秒:5分1秒:9分2秒であった。周術期,フォローアップ期間内に脚閉塞を含めた明らかな合併症は認められなかった。【結論】いずれの脚の走行においても脚閉塞などの重篤な合併症は認められなかった。cross-leg法は,総腸骨動脈分岐角の開大症例に対して容認される方法と考えられた。