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[O-4-6] TEVAR後,残存AAA破裂症例の検討
Keywords:TEVAR, AAA Rupture
【はじめに】重複大動脈瘤は大動脈瘤症例の約10%にみられるとされる。ステントグラフトの普及とともに,治療法の選択肢が格段に増えたが,その治療方針に関しては統一した見解はまだない。今回TEVAR後,残存腹部大動脈瘤(AAA)破裂症例を3例経験した。それらの報告をするとともに,重複大動脈瘤治療の課題を検討する。【症例1】80歳男性。60mm大の胸部大動脈瘤(TAA)の診断で当院紹介。精査にて腎動脈直下に50mmのAAAを認めた。先ずTEVARを先行し,2期的にAAAに対する治療を行う方針とした。初回TEVAR術後13日で軽快退院。その7日後(術後20日),背部痛を主訴に当院搬送されAAA破裂の診断。緊急手術を行った。【症例2】60歳男性。55mm大のAAAの診断で当院紹介。その際,下行大動脈瘤に嚢状のTAAを認めた。AAA治療の術前精査中,TAA破裂で当院搬送。緊急TEVARを行った。術後16日で合併症なく退院。その4日後(術後20日),他科外来受診時に意識消失。AAA破裂の診断で緊急手術を行った。【症例3】78歳男性。6年前にTEVAR施行。外来で経過観察中,TAAの瘤径拡大を認めたため再TEVAR施行。術後10日で退院。術後218日に腹痛を発症し当院搬送。腹部大動脈嚢状瘤の破裂で緊急Yグラフト施行。【結語】当院でのTEVAR後の残存AAA破裂は術後早期に破裂をきたしていた。早期の積極的治療が望ましいが,患者の全身状態等で2期的治療時期を勘案しなければならない。現段階では,厳重な経過観察を行うとともに,初回治療時に,残存瘤に対する治療方針を決定しておくことが重要と思われた。