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[O-5-2] EVAR時代の85歳以上の腹部大動脈瘤に対する治療の検討
Keywords:abdominal aortic aneurysm, EVAR
【はじめに】近年,手術症例がますます高齢化し85歳以上の超高齢者も珍しくない。今回,超高齢者腹部大動脈瘤(AAA)症例についてステントグラフト治療(EVAR)導入の前後における治療および結果について検討した。適応は,待期例では瘤径,瘤の拡大速度のほか,術前自分で身の回りのことができ,家族・本人が手術を理解していることとし,治療方針としてEVAR導入後はIFU外症例でもできるだけEVARを治療の第一選択とした。【対象】対象は2002年4月より2014年3月の間に治療を施行した85歳以上の腎動脈下AAA症例の39例。2002年4月から2008年3月を前期群(P群),2008年4月から2014年3月までを後期群(E群)とした。【結果】P群15例,E群24例,男性32例,女性7例。平均年齢はP群86.9歳,E群86歳。内,緊急症例はP群6例,E群4例であった。術式はP群では全例人工血管置換であり,E群は人工血管置換が5例(緊急例1例),SG術が19例(緊急例3例)であった。緊急例も含めた30日死亡はP群2例(緊急例2例)13.3%,E群1例(緊急例0例)4.2%であった。P群では退院できないでの病院死亡が2例13.3%あった。重篤な術後合併症は,P群では5例33.3%で肺合併症2例,腸閉塞1例,心筋梗塞1例であった。合併症は認めないが食欲不振が続き退院まで2ヶ月を要した92歳の緊急症例もあった。E群は3例12.5%で,呼吸不全・肝不全1例,肺炎1例心筋梗塞1例(緊急例1例)であった。【まとめ】超高齢者のAAA治療はSG導入後30日死亡・術後合併症とも明らかに成績が向上していた。特に症例数は少ないが緊急例でのSGは大変有用であると考えられた。