第55回日本脈管学会総会

Presentation information

一般演題(口述)

大動脈解離

Thu. Oct 30, 2014 10:04 AM - 10:52 AM 第5会場 (201会議室)

座長: 貞弘光章(山形大学医学部 第二外科), 大北裕(神戸大学大学院医学研究科外科学講座 心臓血管外科学)

10:04 AM - 10:52 AM

[O-9-5] 80歳以上高齢者に対する急性A型大動脈解離の手術成績

中島智博, 伊藤寿朗, 佐藤宏, 黒田陽介, 樋上哲哉 (札幌医科大学 心臓血管外科)

Keywords:aortic dissection, octogenarian

【目的】当院における急性A型大動脈解離における80歳以上高齢者の手術成績を検討する。【対象と方法】2006年12月から2013年09月までに急性A型大動脈解離に対して手術を施行した107例を対象とした。80歳以上の群をO群:12例(11.2%),80歳未満の群をY群:95例に分類し,周術期の因子について検討した。【結果】O群:男性2例(16.7%),年齢 81.8±1.5(80-84)歳,Y群:男性44例(46.3%),年齢66.3±9.8(31-79)歳であった。両群間で男女比と年齢に有意差を認めた。また術前状態として,意識障害O群:3例(25.0%),Y群:20例(21.1%),ショックO群:5例(41.7%),Y群:23例(24.2%),心タンポナーデO群:5例(41.7%),Y群:29例(30.1%)であり術前因子に両群間で有意差は無かった。また,手術術式はO群:AAR 7例(58.3%),TAR 5例(41.7%),Y群: AAR 49例(51.5%),TAR 46例(48.4%)であり両群間で術式に有意差は無かった。術後72時間以上挿管となったのはO群:5例(41.7%),Y群:27例(28.4%),術後血液透析O群:0例,Y群:11例(11.5%),術後自宅退院O群:9例(75.0%),Y群:54例(56.8%),30日死亡O群:1例(8.3%),Y群:9例(9.5%)であり術後72時間以上の挿管がO群で多かった。【結語】当院における急性A型大動脈解離において80歳以上の高齢者では術後72時間以上挿管となる症例が多かったが,その他の因子は有意差が無く80歳未満と同等の手術成績であった。