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[P-12-3] 胸椎インプラントによる胸部下行大動脈損傷に対して一期的にTEVAR,pedicle screw抜去を行った1例
Keywords:TEVAR, pedicle screw misplacement
【症例】44歳,女性。Th11/12の胸椎黄色靭帯骨化症に対して2年前に後方徐圧固定術施行。Th11/L2にpedicle screw挿入。退院前のCTではインプラントの位置異常なし。以降整形外科外来でfollow中であった。術後2年目のCTでTh11のscrewが胸部大動脈に迷入している所見あり。当科紹介となる。IVUSではTh11レベルで腔内に突出する構造物あり。インプラント除去する必要あるものの,除去のみでは出血の可能性もあり。また長期的に見て動脈瘤化する可能性高いと判断した。抜釘と同時にステントグラフト内挿術を行う方針とした。AKAの同定を行ったところTh11レベルから分岐しているのが判明。ステントで被覆されると考えられた。【手術】全身麻酔下に腹臥位で背部を皮膚切開,問題となるscrew以外をすべて抜釘。その後直視下にspinal drainを挿入。仮閉創し仰臥位とした。右鼠径部を切開し大腿動脈を露出。全身へパリン化した後Th11がステント真中となるようにTX-2(22mm×115mm)を1本挿入し展開。左上腕動脈より念のためocclusion balloonを挿入した後,再度腹臥位とした。創を開け最後のscrewを抜釘した。血行動態に問題ないことを確認した後,創を閉鎖し手術終了とした。【経過】手術室抜管しICU入室。対麻痺など起こされることなく経過。術後CTではステント位置問題なく,endoleakもなし。第15病日に退院となった。【結語】脊椎インプラント後にscrewが大動脈に迷入するのは非常に稀である。今回抜釘と同時にTEVARを行い,良好な経過を治めた。若干の文献的考察を加え報告する。