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[P-16-3] 無症候性下肢深部静脈血栓症と肺塞栓症を来した多発性骨髄腫の2例
Keywords:Multiple Myeloma, Venous Thromboembolism
【はじめに】多発性骨髄腫(MM)に対するサリドマイド/レナリドミドの静脈血栓塞栓症(VTE)が報告されている。下肢腫脹や呼吸苦などを認めないVTEのMM2例を経験したので報告する。【症例1】78歳女性。腰椎圧迫骨折にて平成26年1月11日当院整形外科入院。1月24日MMにて内科転科。VD(ボルテゾミブ+デキサメサゾン)療法3クール施行し,LD(レナリドミド+デキサメサゾン)療法2クール目施行中の5月19日FDP 45.2μg,D-dimer 28.49μgであった。5月22日下肢深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(PE)も認め,翌日IVCフィルターを留置した。抗凝固療法にて,6月6日IVCフィルター内に血栓のトラップを認めたがPEとDVTは改善した。【症例2】58歳女性。MMの診断にて平成26年4月7日当院内科入院。VMP(ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾロン)療法1クール施行し,LD療法1クール目施行中の5月27日FDP 37.0μg,D-dimer 24.49μg。5月28日DVTとPEを指摘され,翌日IVCフィルター留置し抗凝固療法施行。6月6日PEとDVTは改善。【考察】レナリドミドのDVT発症率6.6%,PE2.4%と報告されているが,今回の2症例は発症時期が不明であり薬剤起因性であるとは断定できない。このためMM患者は治療薬に関係なくFDPやD-dimerを定期的にフォローアップし,無症候であっても積極的に下肢エコーを施行すべきである。特にPE症例にはIVCフィルターの留置を早急に行うことが必要と考えられた。