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[P-19-4] OPEN STENT併用弓部置換後遠隔期にグラフト穿孔による弓部大動脈瘤切迫破裂をきたしTEVARを施行した1治験例
Keywords:Open Stent, Graft Perforation
【はじめに】Hand-made のthin wall人工血管を用いたstent graftのZ stent固定部に穿孔をきたし,弓部大動脈瘤再拡大切迫破裂を認めた症例を経験した。【症例と経過】82歳,男性。H23年7月11日に真性弓部大動脈瘤に対しOPEN STENT併用上行弓部置換術,さらにH24年2月8日にAAAに対しY-graftingを施行した。H26年4月19日に胸部痛で受診し遠位弓部嚢状大動脈瘤が8cmに再拡大しており切迫破裂の診断で緊急入院。CT所見では前回手術で留置したOPEN STENT人工血管大弯側から穿孔による瘤内造影剤流出を認め,Thin wall人工血管にZ stentを縫着固定した部位に孔があいていると考えられた。さらに下行大動脈のOPEN STENT人工血管末梢端から約5cmにわたり慢性解離所見を認めた。血圧を低めに管理し症状は安定したため6日後に手術を施行。【手 術】全身麻酔下に腹部再正中切開でアプローチ,腹部人工血管左脚分岐部からpig tailカテを挿入し上行大動脈まで進めた。その後IVUSでZ stentの内部をワイヤーが通過していることを確認後にZeith TX2 2個を用いて上行人工血管内から下行慢性解離の末梢まで内挿し,endoleakは認めなかった。【まとめ】Hand-madeのOPEN STENT人工血管はZ stent固定縫着部から穿孔を認める可能性がある。TEVARで治療可能であるが,商業ベースのOPEN STENT用人工血管の使用が待たれる。