第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

先天性

Fri. Oct 31, 2014 2:28 PM - 2:58 PM 第6会場 (第1練習室)

座長: 大須賀慶悟(大阪大学大学院医学系研究科 放射線医学講座)

2:28 PM - 2:58 PM

[P-21-1] 骨盤内動静脈奇形の3例

朝見淳規, 長崎和仁, 白杉望 (さいたま市立病院 血管外科)

Keywords:AVM, pelvic

動静脈奇形は四肢や脳,肺,頸部,腎などあらゆる部位で発症しうるが,その中で骨盤内に発症する頻度は約3%とされており比較的稀な疾患である。その症状は無症状のものから拍動性腫瘤の触知,腹部違和感,疼痛,血尿,排尿困難,性器出血,下血,下肢浮腫,呼吸困難,心不全に至るものまで多様である。今回われわれは骨盤内動静脈奇形の3例を経験した。【症例1】61歳男性,下血を主訴に受診,S状結腸癌と診断されたが術前検査で行ったCTで右内腸骨動脈末梢に径8cmの異常血管と思われる腫瘤を認めた。この病変は下腹部の拍動性腫瘤としても触知可能であった。【症例2】72歳男性,腹腔鏡下横行結腸切除術後3年,1日に20回の下痢が続き精査を施行した。下行結腸から直腸にかけて腸粘膜は著明な浮腫を認め,CTでも同部の壁肥厚,周囲に蛇行する異常血管を認めた。血管造影では下腸間膜動脈末梢に異常血管を認めた。【症例3】72歳男性,2-3年前から両下肢のむくみ,静脈怒張あり来院,ドップラーエコーで両側の大腿静脈に拍動性のflowを認めた。CTでは右内腸骨動脈末梢に蛇行,拡張した異常血管を認め下大静脈が早期に造影された。それぞれの病状に応じて外科的切除および血管内治療で治療を行い良好な結果を得たので若干の文献的考察を加えて報告する。