第55回日本脈管学会総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

PAD2

Fri. Oct 31, 2014 2:10 PM - 2:52 PM 第7会場 (第2練習室)

座長: 古谷彰(山口労災病院 循環器外科)

2:10 PM - 2:52 PM

[P-24-6] 重症下肢虚血による難治性潰瘍に対し血管内治療と分層植皮にて治療した2例

堀口昌秀1, 神山崇1, 石山将希1, 森一樹1, 杉本匡史1, 高村武志1, 泉大介1, 坂部茂俊1, 世古哲哉1, 笠井篤信1, 中里公亮2 (1.伊勢赤十字病院 循環器内科, 2.伊勢赤十字病院 形成外科)

Keywords:Critical limb ischemia, EVT

症例1は60歳代の男性。糖尿病にて近医でインスリン治療中。左下肢は糖尿病性壊疽で下腿切断されているが,義足にてADLは自立していた。2013年4月,低温やけどを契機に右足背に水疱,潰瘍を認めるようになり,当科紹介受診となった。右足背にRutherford 6の深い潰瘍病変を認め,重症下肢虚血と診断。下肢造影をすると病変は右下腿動脈病変のみであった。下腿動脈(BTK)3枝をCoyote OTW 2.5×220mmで拡張し,近位部はSenri 3.0×80mmのバルーンカテーテルで血管内治療を行い,Rt,BTK病変の完全血行再建を行った。翌日に当院形成外科にて右足背部のデブリードメントを施行し,その後,創部の経過は良好で2週間後に右大腿部からの分層植皮を施行した。術後,植皮の生着も良好にて入院約1か月で創はほぼ治癒し退院となった。症例2は80歳代の女性。糖尿病にて近医でインスリン治療中。右第1趾の巻爪の処置後より潰瘍形成を認め,当科紹介となった。右第1,2,3趾に潰瘍,壊死を認め,SPP低下から重症下肢虚血と診断。下肢動脈造影検査にて右膝下動脈病変を認め,足趾への血行再建施行となる。Coyote OTW 2.5×220mmでPTAを拡張し足底動脈から足趾への良好な血流を確認。患者の足趾温存の希望が強く,後日,足趾の壊死組織のデブリ施行し,大腿部からの分層植皮を施行した。術後は歩行リハビリを開始し,足趾の創部は治癒し,自立歩行にて退院となった。重症下肢虚血による難治性潰瘍に対し血管内治療+分層植皮にて治療した2例を経験したので報告する。