第55回日本脈管学会総会

講演情報

一般演題(ポスター)

冠・肺血管

2014年10月31日(金) 13:10 〜 13:52 第7会場 (第2練習室)

座長: 小宮達彦(倉敷中央病院 心臓病センター 心臓血管外科)

13:10 〜 13:52

[P-25-4] 形態学指標による冠血流予備量比(FFR)の予測検討

倉持龍彦1, 中原毅1, 小松崎達也1, 寺田紀子1, 小橋和彦1, 若狭伸尚2, 角田恒和3 (1.JA茨城県厚生連 総合病院 土浦協同病院 臨床工学部, 2.同 臨床検査部, 3.同 循環器内科)

キーワード:FFR, OCT,QCA

【背景および目的】冠血流予備量比(FFR)が,FAME,DEFER研究により経皮的冠動脈形成術(PCI)施行での有用性が明らかになり測定頻度が増加している。そこで我々は,形態学的指標である光干渉断層法(OCT)と定量的冠状動脈造影法(QCA)の値でFFR値の予測が可能かを,心カテ室内での血行動態観察にかかわる臨床工学技士の立場から検討した。【対象および方法】対象は2011年1月から2014年1月の間に,土浦協同病院において左前下行枝(LAD)単一病変のPCI術中FFR測定ならびにOCT測定を行った95例とし,急性冠症候群,陳旧性心筋梗塞,多枝病変は除外した。なおFFRの治療適応閾値は0.75とした。調査測定項目はOCTの最小内腔面積(MLA)と,QCAの狭窄率(%S)とし,状態変数FFRに対しMLAと%Sの群を検定変数とした。解析手法は相関係数の比較,受信者動作特性でのAUC(area under the ROC curve)比較,累積分布関数による陽性的中率(PPV),陰性的中率(NPV),正診率とした。有意水準はp値0.05未満とした。【結果】FFR陽性48例,陰性47例であった。相関係数はFFR-MLA群間0.42,FFR-%S群間0.47で両群のあいだに有意差は認めなかった。(p=0.72)AUCはFFR-MLA 0.75,FFR-%S 0.7で両群のあいだに有意差は認めなかった。(p=0.47)正診率はMLA0.74,%S0.71,PPV/NPVはMLA0.71/0.74,%S0.75/0.66であった。【結語】FFR値予測にはOCTとQCAも正診率は中等度であった。