第55回日本脈管学会総会

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一般演題(ポスター)

動脈硬化1

Thu. Oct 30, 2014 4:32 PM - 5:08 PM 第6会場 (第1練習室)

座長: 冨山博史(東京医科大学 第二内科)

4:32 PM - 5:08 PM

[P-3-5] 高血圧患者におけるCAVIの体位変換による変動

橋爪俊和 (南和歌山医療センター 循環器科)

Keywords:CAVI, Hypertension

【目的】心臓足首血管指数(CAVI)は,血圧非依存性血管硬化指標であり,高血圧や糖尿病など動脈硬化が強い状態での評価が重要である。CAVIは通常安静臥位で測定されるものの,日常生活では立位の姿勢が多く,立位でのCAVIの検討はない。今回糖尿病非合併高血圧患者(HT群)および糖尿病合併高血圧患者(DMHT群)におけるCAVIを臥位と立位で測定し,その変化を臨床指標とともに評価した。【方法】体位変換CAVIを実施した75例(HT群39名(男性25名;年齢64歳),DMHT群36名(男性26名;年齢68歳))を対象に,VaSela(フクダ電子)を用いて,安静臥位・安静立位でのCAVIを測定した。各体位でのCAVI(平均)を2群間で比較し,CAVIの体位変化率に寄与する因子を解析した。【成績】安静臥位でCAVIはDMHT群(9.4±1.2)で,HT群(8.4±1.2)より有意に高値(p<0.001)であった。立位CAVIでは,DMHT群(11.1±1.3)とHT群(右10.6±1.5)との間の有意差は消失した。CAVI比(立位/臥位)を算出するとDMHT群(1.2±0.1)がHT群(1.3±0.1)よりも有意に減少した(p=0.014)。多重回帰分析(従属変数CAVI比)では,IL-6,脈圧および立位心拍数が有意な独立変数として採択された(p=0.001,p=0.002,p=0.011)【結論】糖尿病合併高血圧患者においてCAVIの立位変化率は糖尿病非合併患者より少なく,血管反応性の変化を認めた。糖尿病を含めた高血圧患者におけるCAVIの体位変換性変動には,IL-6や脈圧・心拍数の関連が示唆された。